【前編】暮らし守りの記録|固定電話に潜む危険と“あの日”の出来事
これまでこのシリーズでは、両親が安心して通院できる病院を探し、
ようやく「ここなら大丈夫」と思える場所にたどり着くまでの記録を書いてきました。
今回は少し趣が変わって、
実家の暮らしをそっと守るために、私が始めた小さな安全対策について綴ってみようと思います。
介護というほど大げさではないけれど、
「まだ大丈夫。でも、少しだけ備えておきたい」
そんな気持ちから始まった、暮らし守りの工夫です。
電話詐欺は他人ごとではない
電話での詐欺事件は、ニュースで見るたびに“他人ごとではない”と感じていました。
実際、父の携帯電話にも知らない番号からの着信がありましたし、
固定電話を留守番電話に設定していても、電話が鳴ると反射的に受話器へ手を伸ばしてしまうのです。
「これは、いつか本当に危ない場面が来るかもしれない」
そんな不安が、ずっと心のどこかにありました。
そして“あの日”は突然やってきた
私が実家に滞在していたある日、固定電話が鳴りました。
父はいつものように受話器を取り、相手に合わせるように返事をしていました。
「はいはい、ああそう。あとで来るのね。分かりました」
電話を切った父に、私は思わず尋ねました。
「今の、誰からだったの?」
父は少し曖昧な表情で、
「なんだかよく分からないけど、あとで挨拶にくるって言ってたよ」
と答えました。
胸が一気にざわつきました。
“あとで来る”とはどういうことなのか。
誰が、何のために。
インターフォンが鳴った瞬間
その約30分後、インターフォンが鳴りました。
当時の実家は、まだモニターのない昔ながらのインターフォン。
相手の顔が見えないまま応対するのは、どうしても不安が残ります。
とっさに私は窓をガラリと開けて、外に向かって挨拶しました。
「高齢者だけが住んでいる家ではない」
そのことを相手に伝えなければ、という本能的な思いでした。
父が玄関に出て受け取ってきたのは、パンフレットとボールペン。
一見すると、ただの営業訪問のようにも見えます。
調べて分かった“危険の正体”
しかし、すぐにスマホで会社名を検索すると──
出てきたのは「投資詐欺」の文字。
さらにパンフレットに記載されている電話番号を調べると、
なんと3つとも違う番号で、どれも怪しい情報が並んでいました。
私はすぐにその3つの番号を迷惑電話として登録しました。
けれど、これではまた別の番号からかかってきたとき、
父はきっと反射的に電話に出てしまう。
「このままでは守りきれない」
その危機感が、胸の奥に強く残りました。
次回へ
どうしたら良いのだろう。
もっと根本的に、電話の危険から両親を守る方法はないのか。
そう思いながら、私はネットで対策を探し始めました。
次回は、そこで出会った
県の無償迷惑電話対策サービス
について書いていきます。


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